ごあいさつ

ちのり文庫は「こわい」を楽しむ浮遊古書店です。

ふだんの暮らしの中で、得体の知れない “何か” に触れ、
背筋を伝う冷やりとした戦慄を覚えたことはありませんか?
その “何か” とは「幽霊」や「お化け」と呼ばれるものかもしれません。
あり得ない生物や世界を垣間見た時も同じような感覚にとらわれることでしょう。

私たちは、まさにそのような感覚を指して「こわい」と呼びます。

「こわい」のは嫌ですね。できるだけ遠ざけたい感覚です。
ところが不思議なことに、ふと「こわい」に秘められた楽しさを感じる時があります。
恐怖に震えながらも、わくわくと怪談話に耳を傾けてしまうあの感じです。

私たちはそのような感覚を、ちょっとした晩酌のように、ひと休みのおやつのように、
さらっと生み出す方法を提案します。
その主な手段として「こわい本」を紹介しています。
どこかで古書市があれば、出たり出なかったりします。

本だけではありません。何気ない暮らしのいたるところに、その種は隠されています。
日常の薄皮を一枚めくるだけで、非日常はすぐに顔をのぞかせてくれるものです。
そんな「薄皮めくり」のお手伝いを、いろいろなアプローチでやっていきます。

クローゼットの隙間からのぞく暗闇に、シンクに落ちる水滴の音にゾクッとした時、
「めっけもん (c)稲川淳二」と楽しく感じる方々、その世界をちょっとだけ試してみたい方々も、
ぜひとも「ちのり文庫」をご活用くださいませ。