散歩
2012年10月12日

廃村八丁へ行ってきました(その1)

 京阪・出町柳駅から32系統のバスに乗って約2時間、終点の広河原の2つ手前「菅原」で降車。
 空っぽになったバスが広河原の方へ消えると、しんとした空気が際立って、ぽつんとした秋のうらさびしさに包まれる。靴ひもをきつめに結び直してごまかす。
 うす雲に覆われているせいで空はどんよりしている。でも、しばらく歩いてようやく汗ばむくらいのこの感じがちょうど良い。個人的には絶好の登山日和。まわりに他の登山者はいないけど。
 小川沿いの集落に目をやると、おばあちゃんが畑仕事をしている。なんかほっとして呟く、「第一村人発見」。でも、これから峠を越えて踏み入ろうとするのは、村人のいない村「廃村八丁」だ。

この小川に沿って、おばあちゃんにあいさつしながら谷へ入ります。ヤモリもいます。

菅原1

少し進むと、本格的な山道になります。左が尾根コース、右が谷コース。お好みで。

菅原2

 廃村八丁は京都市右京区の山奥にある、かつて八丁山と呼ばれた集落の跡地。昭和8年の大雪による被害を契機に住人は山を降り、昭和11年に廃村となった。
 八丁山は江戸時代から隣り合う村の所有権争いが続いたため、政府によって「御留山」に指定され、折り合いがつく明治時代まで一般人の立ち入りが禁止された。
 どっちでもいいけど住むの多分厳しいよ?人間たちのいざこざを横目で見ながら、山の自然たちが苦笑いする姿が目に浮かぶ。

 途中でシカに出会ったので、しばらく見つめ(睨み)合う。撮影しようと思ってカメラを取り出した瞬間、ダッと尾根に向かって斜面を駆け上がってしまった。その直後、山中に響いたシカのかん高い鳴き声。「人間が来たぞー!」の警報かも。

しばらく登りをがんばると、ダンノ峠に到着します。

ダンノ峠

 ダンノ峠から少し下ると、渓流に合流。
 ゆるやかな水流と歩調を合わせるようにして、ゆっくりと沢筋を進む。常に横を流れる清らかな水が目に気持ち良い。植林によって整然と形成された針葉樹林と、思い思いに枝葉を伸ばす広葉樹のコントラストも楽しい。おまけに、巨木による「奇景」やスリリングな渡渉(川を渡ること)も、良いリズム感で配置されていて、なんだかとても気配りの利いた谷筋。暗いじめじめとした谷は嫌いだけれど、ここは好み。
 1時間くらい良い気分で歩き、石垣が見えたら、そこが廃村八丁だ。

きれいな渓流に沿って谷を下ります。

廃村八丁までの谷1
廃村八丁までの谷2
廃村八丁までの谷3

ファンタスティックな巨大モミ。目や口に見えるのはサルノコシカケ。

巨大モミ1

巨大モミの上部が折れて地面に横たわっています。浜辺に打ち上げられたシーサーペントのよう。

巨大モミ2
巨大モミ3

大きな手を思わせる巨大トチノキ。うっとりする程カッコいい…。

巨大トチノキ

ここを渡れと…。

渡渉

なんか人がこしらえたようなものがあるなと思ったら、

朽ちかけた橋

家屋の基礎が現れ、廃村八丁へ到着。

家屋の基礎

 「その2」へ続きます…

(京都)